IBM Bobでレガシー刷新、9カ月作業を3日に
元記事公開日: 2026年7月31日
IBMはエンタープライズ向けAI開発支援ツール「IBM Bob」に、IBM Z・IBM i・Java向けの事前構築済みワークフローを追加した。構造化された再現性の高い手順で、レガシー刷新時に起きやすいAI成果物の品質バラつきを抑える。クラウド・コンサルティングのBlue Pearlでは、14人のエンジニアで9カ月かかると見込んだ作業が3日で完了した。
背景
生成AIによるコード生成が広がる一方で、レガシー環境の刷新はAIの適用が難しい領域とされている。開発現場ではコード生成にとどまらず、レガシーアプリケーションの刷新やモダナイゼーションといった大規模で複雑な業務へAIを適用する動きが広がっている。IBMは、作業の進め方によってAIの成果物の品質がバラつきやすく、複数の工程にまたがるプロジェクトでは課題になりやすいと説明する。
要望・目的
AI成果物の品質のバラつきを抑えるため、構造化された再現性の高いワークフローの利用が有効だとされる。レガシーシステムを抱える企業が自社環境に合わせてカスタマイズ・拡張できる事前構築済みのワークフローが用意された。対象として、メインフレームIBM Zシリーズ、統合プラットフォームIBM i、Javaといったレガシー環境のモダナイゼーション支援が位置づけられている。
実装・実施内容
IBMはエンタープライズ向けAI開発支援ツール「IBM Bob」の新機能を発表した。柱の一つとして、レガシー環境向けの事前構築済み専用ワークフローを追加した。同時に、複数のAIエージェントを連携させるマルチエージェント機能と、AIの利用状況とコストを可視化する分析機能も追加した。クラウドソリューションやコンサルティングを手掛けるBlue Pearlは、モダナイゼーションのプロジェクトにIBM Bobを導入した。
AIサービス・システム
IBM Bobに追加されたレガシー向けパッケージは3つである。Premium Package for ZはCOBOLやPL/IのモダナイゼーションとJCLの分析機能を提供する。Premium Package for IBM iはリモートファイルシステムとの統合、IBM i専用のモードやツール、同環境に最適化したワークフローを備える。Premium Package for Java ModernizationはJava 25への移行や大規模リファクタリング、依存関係の分析をAIが支援する。全ユーザー向けには、利用状況の把握やリソース配分・運用監視を行う分析機能「Bobalytics」、AIモデルが複数ツールを一度に呼び出して並列実行する機能、サブエージェントが独立したコンテキストで複雑な処理を実行する機能が追加された。
結果・効果
Blue PearlがIBM Bobをモダナイゼーションのプロジェクトに導入したケースでは、14人のエンジニアで9カ月かかると見込んでいた作業が3日で完了した。Bobalyticsやマルチエージェント関連の機能は、レガシーシステムを抱える企業に限らず全ユーザーを対象としている。