MOLTON×リコー、法務AIで暗黙知承継PoC
元記事公開日: 2026年7月28日
出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000057.000126939.html
MOLTONはリコーの法務相談・回答記録を分析し、熟練者の思考パターンと問いの型を構造化して法務AIプラットフォームに実装する。回答モードでは熟練者視点のサジェスチョンを示し、トレーニングモードでは問いかけで判断力育成を支援する。PoCは開始段階で、実務で機能するナレッジ承継モデルの確立を目指す。
背景
法務・コンプライアンス人材の不足が社会課題となるなか、多くの企業ではベテラン担当者の定年退職や再雇用期間の満了に伴い、実務判断の知見が失われるナレッジ承継の課題に直面している。マニュアルやプレイブックを整備しても実務では参照されず、OJTと経験則に依存する構造が企業規模を問わず共通している。MOLTONが実際の法務相談・回答記録を分析した結果、熟練者の判断には「前提を疑う」「対価性を問う」「実態と形式を照合する」といった一貫した思考パターンが繰り返し現れること、本質的価値は回答そのものより相手に考えさせる「問いを立てる力」にあることが確認された。
要望・目的
本PoCは、AIが熟練者の判断を代替するのではなく、熟練者の思考の型を組織の実務インフラとして次世代に引き継ぐことを目指す。生成AIによる情報処理のスピードと、熟練者が長年培ってきた専門的判断・実務知見を組み合わせ、法務部門の長年の課題であるナレッジ承継の新たなモデルを構築することが目的である。
実装・実施内容
MOLTONとリコーが共同で実証実験を開始した。MOLTONがリコーの法務実務で蓄積された熟練者の法務相談・回答記録を分析し、判断の基礎となる思考パターンと若手に投げかけてきた問いの型を抽出・構造化する。抽出結果をMOLTONの法務AIプラットフォームに「ベテランモード(仮称)」として組み込み、回答モードとトレーニングモードを実装・検証する。熟練者本人へのヒアリングにはヒアリング支援アプリ「聴くアプリ」を用い、短い音声回答で負荷を抑えつつ形式知として蓄積する。プロトタイプの実運用で得たフィードバックをもとに精度検証と機能改善を進める。
AIサービス・システム
中核はMOLTONの法務AIプラットフォームである。回答モードでは、担当者の相談に対し熟練者の思考パターンを踏まえて回答し、「ベテランならここを指摘する」観点をサジェスチョンとして提示し、該当する思考パターンの可視化と推奨アクションを示す。トレーニングモード(ソクラテスメソッド)では答えを示さず、問いの型を順に投げかけて担当者自身に考えさせ、判断力の育成を支援する。聴くアプリはヒアリング回答をナレッジとして蓄積し、AIの精度向上に直接活用する。MOLTONはリーガルAIを搭載した企業法務アウトソーシングALSP「クラウドリーガル」も提供している。