日立の設計ナレッジシステムで設計不備を100%抽出
元記事公開日: -
出典: https://it.impress.co.jp/articles/-/29782
設計ナレッジシステムは、熟練設計者の知見や過去不具合の技術文書から設計ルールを抽出し、設計ナレッジとして蓄積する。生成AIが自然言語のルールから形状チェック用プログラムを作成し、3次元CADデータの違反箇所を可視化する。日立ハイテクの検図では設計不備を100%抽出した。
背景
製造業の設計現場では、熟練者の経験や技術文書、過去のトラブル・不具合情報、3次元CADデータを基に設計判断を行っている。こうした知見は担当者ごとに分散し、属人化しやすい状態にある。設計ルールの確認には工数がかかり、確認漏れによる手戻りや品質のばらつきも生じていた。
要望・目的
熟練設計者が持つ暗黙知と、過去の不具合情報を形式知として扱えるようにし、製造業の設計業務を支援する。技術文書のテキストや図表から設計ルールを自動抽出して一元的に蓄積し、3次元形状CADデータの設計ルール違反を確認できる状態を目指した。
実装・実施内容
日立製作所は、穴・曲げ・距離を取得する独自の形状認識関数をデータベース化し、システムに組み込んだ。日立ハイテクはプロトタイプを板金・製缶図面の検図作業に適用して先行検証を行った。曲げ加工、打ち抜き・切断加工が困難な箇所と寸法不備を対象に、自動抽出の結果を確認した。
AIサービス・システム
設計ナレッジシステムは、熟練設計者の経験・ノウハウや過去のトラブル・不具合情報などの技術文書を扱うAIシステムである。AIエージェントがテキストや図表から設計ルールを抽出し、設計ナレッジとして一元的に蓄積する。生成AIと形状認識関数を連携させ、設計者が自然言語で入力したルールから形状チェック用プログラムを自動生成し、3次元形状CADデータを検図する。
結果・効果
日立ハイテクの板金・製缶図面を対象とした先行検証では、加工が困難な箇所と寸法不備を自動で100%抽出した。不具合を含む設計データが後工程へ流出する回数を減らせた。日立製作所は今後、設計から製造、保守、品質保証までを対象にサービスを拡充する方針である。