Sakana AIら、局所通信するブリック群で形状を認識
出典: https://ledge.ai/articles/sakana_ai_smart_cellular_bricks
Sakana AIらは、各ブリックが同一のニューラル・セルラー・オートマトンを実行し、隣接ブリックとの局所通信だけで全体の形状を推論する仕組みを検証した。実機では飛行機や椅子など4種類の形状をすべて正しく分類し、約3分・60更新サイクル未満で認識が収束した。
背景
Sakana AIは、多数の単純な要素が局所的な規則に従うことで高度な振る舞いを生む集合知を研究テーマとしてきた。Smart Cellular Bricksは、この考え方をソフトウェア上の研究から物理ハードウェアへ広げる研究である。コペンハーゲンIT大学、Sakana AI、Autodeskの研究者が共同で取り組んだ。
要望・目的
中央の制御装置を置かず、各モジュールが自分の位置や全体形状を知らない状態でも、集合として全体の形状を分類し、構造上の損傷を検知できる仕組みを検証した。通信ノイズや一部モジュールの故障がある状況で、分散的な原理が機能するかも確認対象とした。
実装・実施内容
小型のプリント基板立方体に、6面の電気コネクタ、マイクロコントローラ、推定クラスを示すLED、給電回路を搭載した。各ブリックは独自のデジタルシリアルプロトコルで接続先だけと通信する。シミュレーションで学習したモデルを実機へ直接移し、26個のギターから197個の円形テーブルまで4種類の形状で試験した。
AIサービス・システム
各ブリックは同一のニューラル・セルラー・オートマトンを実行する。隣接ブリックから得る局所情報と自身の内部状態を使い、3次元畳み込み層で構成されたニューラルネットワークが状態を更新する。飛行機、椅子、自動車、テーブル、家、ギター、ボートの形態を区別できるよう、交差エントロピー損失による勾配ベースの最適化で学習した。
結果・効果
シミュレーションでは500個超、実機では約200個のブリックを使った。実機の飛行機、ギター、ボート、テーブルはすべて正しい形状ラベルに到達し、4形状で成功率100%だった。集団の認識は60回未満の更新サイクル、実時間で約3分に収束した。同じ枠組みは、欠損または故障したモジュールによる構造的不整合の検知にも使える。